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プロジェクトA
論理思考に関する論理、行動遺伝学、脳科学、情報科学の融合的学際研究
担当者:岡田(哲学・倫理学)、安藤(教育学)、浜野(文学研究科特別研究教員)
これまで特に、推論の認知心理学の分野で盛んに議論されてきた演繹的推論の2つの認知モデル(メンタルモデル理論とフォーマルルール理論)の間の論争に、現代的な観点及び手法を用いて答えることを目的として分析を進めてきた。このために、行動遺伝学的実験及び脳機能画像測定を行い、分析を進めている。 これまでの認知科学の分野における推論研究は論理学的な観点によるものが少なく、先行研究の依存する論理学理論には現代論理学の観点が全く活かされていなかった。また、先行研究における被験者の数も少数であり、統計学的な観点は考慮されてこなかった。そのために、現代論理学の観点を行動遺伝学的な統計学の観点と組合せ、「BAROCO問題集」という推論課題集を作成した。「BAROCO問題集」は、統計的処理に耐えるだけの信頼度係数を獲得するために、双生児や一般大学生を対象とした予備実験を経て、昨年の本プロジェクト準備研究以来6回の改訂が成されている。最新版であるBAROCO II.3を用いた行動遺伝学的実験データの因子解析を行い、文の内容や表現形式に依存しない、2つの論理型(AAA/AII/AEE型とEIO型)が見出された。この結果を並行して行った知能テストの因子分析と比較すると、AAA/AII/AEE型の推論は言語知能との強い関連性を示し、EIO型の推論は空間知能との関連性が強いことがわかってきている。 又、論理推論の情報科学的観点の研究も進めている。知識論理推論についての情報システムの具体例を分析しながら、ヒトの推論と人工推論システムの比較を行っている。計算機科学、ロボット工学、オントロジー工学等の枠組みの中で、知識推論システムの具体例を検討している。


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