1.研究科の区別や専攻の境界を越えて、哲学・倫理学専攻と心理学専攻を中心として異なる研究科をまたいだ分野横断的プログラムを実現し、『心』の研究に求められているプロジェクト型学際的教育体制を制度面で確立する。特に異なる研究科間の大学院副専攻制度の確立に向けてそのテストケースとなる新プログラムを立ち上げる。プロジェクト型プログラムの導入によって、人文・社会分野における先端的研究動向と人文・社会分野固有の伝統的知識蓄積とを統合して、問題設定、プロジェクト運営 、 問題解決を計るノウハウを身につけさせ、研究者として自立させる新しいタイプの人文・社会分野大学院教育を実現する。この分野横断的プロジェクト型プログラムが実現すると一方で、例えば、理論的心研究の基礎知識を持つ哲学・倫理学専攻学生が心理学・行動遺伝学・脳機能画像研究等の実験研究に加わるとともに、他方でこれら実験研究の基礎を持つ社会学研究科の心理学・教育学系学生が哲学・倫理学的理論を学習し理論的議論の訓練をつむことが可能となる。
2. これまで過去 3 年間で築き上げてきた国際連携のネットワークを用いて、「心」の研究に関する海外協力校大学院(パリ第 1 大ソルボンヌ校哲学専攻及びエコールノルマールシューペリュール認知科学・哲学専攻)との間での大学院生の共同学位論文指導、共同プロジェクト指導制及び短期相互研修を本プログラムのもとで開始する。
3. 本プログラムのプロジェクト型カリキュラムを通じて、参加する大学院学生の学位取得を促進する。(例えば、博士課程学生の博士論文提出数が飛躍的に増加することが期待できる。)
4. 総合大学の特徴を生かして、学内他キャンパスの大学院と連携し、「心」研究に関わる理工系・医学系の教育者リソースと機材リソースを活用し、科学技術面のプロジェクト指導・短期研修の枠組を構築することを目指す。
5.人文科学COE「心の総合研究」センター(CIRM)における「心」研究とも連携しながらプロジェクト型教育を進める。