"Logic and AI"
"Logic and AI" Session, on the occasion of the UNESCO World Logic Day, Jan. 10th. 2026,
A session of the Logic Festa, organized by the Japan Association for Philosophy of Science.
JST 13:30-16:30, Online Session, In Japanese only, Pre-registration required,
科学基礎論学会2025年度研究例会 ロジックフェスタ内ワークショップ
「論理とAI」
オンライン形式 2026年1月10日13:30-16:30
UNESCO世界論理デー記念登録行事
要事前登録:定員300名になり次第締め切り
事前登録は次の科学基礎論学会公式ウェブサイトから行ってください。
科学基礎論学会 https://phsc.jp/
ロジックフェスタ当日午前の部の情報及び主催学会連絡先もこの学会サイトをご覧ください。
「論理とAI」最新情報
論理とAIはそれぞれの分野で著しい新展開が見られる。両者の新しい出会いが両者の未知の拡がりを示唆しているようにも見える。他方で、「論理や論理的形式手法・記号計算処理的AI」と「機械学習、特に深層学習系AI(例えば言語モデル・生成AI)」との間にある原理的対立(たとえば論理的合理推論対経験主義・学習ベース推定)が強調されてきた。では現状はどうなのか。両者間でどのような組み合わせや融合の試みがなされているのか。組み合わせや融合にどのような革新的成果が期待されるのか。両者のさらなる協調や融合のためにはどのような課題があるのか。どのような限界があるのか。論理学の視点からはそれらをどのようにとらえられるか。一つの回答は、「論理と新しいAIの協調により論理学の方法論や成果は大きく拡張される可能性はあろうが、それでも論理学そのものは変わらない」であろうと予想されよう。しかしそう言い切れるのか。このワークショップでは、前半で論理とAIの出会いに関わる研究例について、学会外部からお二人の方にゲスト講演をしていただく。また中盤で、そのお二人を中心に、科学哲学系学会員のパネリストとコーディネータも加わり、論理とAIの組み合わせ・融合研究の現状と展望と限界、挑戦的課題群の同定、上述の予想について、等をパネル形式で議論することを試みる。後半の討論の部では指定コメンテータの各視点からの問いやオンライン参加者からの質問やコメント、ご自身の融合研究などの文献のチャットによる紹介も含めて討論をひろげていく。
プログラム(アブストラクトはこの下に掲載しています)
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事前登録及び当日午前の部の情報は科学基礎論学会公式サイト https://phsc.jp/ をご覧ください。Zoomによる遠隔形式で実施し、定員は300名です。非会員の方は参加費1,000円です。
13:30 第一部 開会にあたって:岡田光弘・峯島宏次(慶應義塾大学)
13:35-14:10 (招待講演1)末永幸平(京都大学)
「ブラックボックスとしての AI と形式検証」(Formal Verification and AI as a Black Box)
14:10-14:45 (招待講演2)横井祥(国立国語研究所)
「言語モデルを支える「非」論理的能力」("Non-Logical" Capacities of Language Models)
14:45-15:00 (報告1)岡田光弘・峯島宏次(慶應義塾大学)
「形式論理推論、言語モデル推論、人の論理的推論」(Formal Logical Reasoning, Language Model Reasoning, and Human Logical Reasoning)
15:00-15:15 (報告2)大塚淳(ZEN大学)
「汎化と厳密性」(Generalization and Logical Rigor)
15:15-15:45 パネル討論 コーディネータ 岡田光弘・峯島宏次
パネリスト 末永幸平(京都大学) 横井祥(国立国語研究所) 大塚淳(ZEN大学)
15:45-15:50 休憩
第二部 15:50-16:10 討論
指定コメンテータ1:細川雄一郎(群馬県立女子大学)「AI の反事実的公平性研究の視点から」
指定コメンテータ2:村上祐子(立教大学)「AI研究・教育と論理学研究・教育」
指定コメンテータ3:小関健太郎(東京大学)「論理とAIアラインメント」
登壇者返答
16:10-16:30 フロアとの質疑応答
16:30 終了(予定)状況によっては質疑応答終了時刻が多少遅れる可能性があります。
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質疑応答時間では、AIと論理の融合研究・組み合わせ研究を進めていらっしゃるグループからのZoom Chat機能を通じた文献紹介を歓迎いたします。よろしくお願い申し上げます。
講演者と報告者のアブストラクト
ゲスト招待講演1:末永幸平(京都大学)「ブラックボックスとしての AI と形式検証」
アブストラクト:
システムの動作が仕様に沿っていることを検証する手法である形式検証は、伝統的に検証対象のシステムの動作がクリプキ構造、オートマトン、プログラムなどの人間にとって解釈可能なホワイトボックスモデルとして得られることを前提としていた。一方、統計的機械学習を用いて実装される現代的な AI は、その内部動作が人間にとって解釈可能でないブラックボックスであることが多く、形式検証に対する新たな課題となっている。本講演では、最近の講演者自身の研究を紹介しつつ、AI のブラックボックス性、その検証、解釈可能性といった問題や、そこに論理がどのように関わるのかといった話について考察する。
ゲスト招待講演2:横井祥(国立国語研究所)「言語モデルを支える「非」論理的能力」
アブストラクト:
言語モデルは、入出力が言語であるような多様な「知的」タスクをきわめて汎用的に実行できる。本講演では、この特異な能力を支えている言語モデルの「非」論理的側面を概観する。とくに、膨大なデータから自然に学習されうるパターン、言語の運用能力と論理の運用能力との違い、そして連続的かつ確率的な系である人工ニューラルネットワークの内部でおこなわれている「推論」について、数理と技術で説明できる範囲でかつできるだけ直観的に紹介したい。いずれのトピックも計算機科学の内部では整理・解決しきれておらず哲学者の知見と分析が有効なトピック群だと考える。忌憚のない議論・コメントを待ちたい。
報告1:岡田光弘・峯島宏次(慶應義塾大学)「形式論理推論、言語モデル推論、人の論理的推論」
アブストラクト:
形式推論(証明支援系、定理自動証明も含む)と大規模言語モデルなどの言語モデルによる推論、人の論理的推論の協調による論証形成や論証理解支援の可能性やメリットやそれを取り巻く諸課題について考える。現状の研究動向を一瞥する。また、大規模言語モデル推論が示す人の論理推論バイアスと、形式推論との間に生じるギャップの課題、逆にその課題の克服を通じて生じ得る大規模言語モデル推論と人の直観的推論との間のギャップの課題について指摘する。時間が許す範囲で、報告者グループの研究の一部を紹介する。
報告2:大塚淳(Zen大学)「汎化と厳密性」
アブストラクト:
論理的推論は、真理保存的(前提が正しければ結論も必ず正しい)という意味で、厳密である。一方、現在のAIを特徴付けているのは、その強力な汎化性能である。推論の厳密性は使用される概念・述語の閉性に由来するのに対し、機械学習での汎化性能はその判別境界が確率的であり、完全には「閉じていない」ということに多くを負っている。これは、論理的推論とAIの推論の間の根本的なギャップを示唆するように思われる(報告者の知る限り、こうしたギャップを最初に指摘したのはウィトゲンシュタインである)。本報告では、こうした観点から、論理とAIの関係性を考えてみたい。
「論理とAI」セッションに関する問い合わせ先:
慶應義塾大学文学部哲学専攻内「論理とAI」事務局
logic[AT]abelard.flet.keio.ac.jp